バイオトイレ勉強会(2001.10.30)の 記録


バイオトイレ勉強会の記録
北大農学部2階会議室

講師:寺沢実氏(北海道大学大学院農学研究科教授)

参加者:小笠原、横須賀、樋口みな子、上井、泉恵子、仲俣、丹下、愛甲

配付資料:「山岳トイレを考える-バイオトイレの活用-」国立公園No.594/Jun.2001
正和電工バイオラックスカタログ No.8

・屎尿はなぜ臭うか?

 人間の屎尿は1日におよそ1500g、そのうち93%が水分で、固形物はおよそ100gしか ない。尿が分解するときに臭いが発生する。尿素は嫌気性条件下では、アンモニアに なる。これが臭う。好気性の条件下では、ハイドロキシアミンを経て硝酸に分解され る。これは臭わない。よって、尿と便を混ぜないこと、尿素を好気性の条件下で分解 すれば屎尿は臭わない。

・おが屑の有効利用

 これまで、おが屑は燃やすか捨てるかしかないものだった。しかし、その物性の能 力の高さに注目した。多孔質であるため、その表面に屎尿の水分をフィルム状に吸着 し、好気性の条件下で分解が行われる。

・富士山での実験

 富士山頂では、バイオラックスを35日間で7000人が利用した。灯油を動力とする発電機を利用。1人200円ずつ払ってもらうようにしたが110万円しか集まらなかった。 期間中まったく故障はなかった。杉チップ式は水の確保に苦労したようだ。

・バイオラックスのメンテナンス

 人数と期間によるが、頻繁に使うところでは2~3ヶ月に1回おが屑の交換が必要 。スクリューは屎尿だけでは故障はしない。ビニール袋などが投入された場合は、取 り除く必要がある。風力と太陽発電では、維持管理のコストも含めるとまだ未知数。 手回し式もあるが、山岳地の場合、便そうないの温度維持が課題。摂氏50~60度 は必要。便そうの外部を断熱材で十分におおってやるなどが必要か?(道自然環境課 への情報では外気温摂氏13度は必要らしい)

・寺沢教授の連絡先

 最後に、資料等を読んだ上で、さらに質問のある方は遠慮なくどうぞと、おっしゃ っていただきました。メールアドレスは、mtera@for.agr.hokudai.ac.jp